自分の財産は最後まで責任をもって処分
あなたが一生懸命働いて作った財産、ご先祖様から譲り受けた土地、想い出のたくさん詰まった家…。
そんな大切な財産は、あなたが亡くなった後どうなってしまうのか想像したことはありますか?あるいは、どのようにてしてくれたら嬉しいのかを考えたことはありますか?
① 立つ鳥あとを濁さず
あなたが今ままでの人生で築いてきた財産もあの世まで持っていくことはできません。残していくしかないわけですが、ただ何もせずにおくと、残された家族を困らせてしまうことにもなりかねません。
自分の遺産を巡って、家族が争い、関係が壊れていく…。
あなたが大切に集めてきたコレクションを適当に処分される…。
そんな残念なシーンを雲の上からただ無力に眺めている、なんてことになるかもしれません。
そうならないためには、それぞれの財産の残し方、処分の方法などをあらかじめ自分で決めて、その想いを遺言書に残しておくことが大切です。
「あの土地だけは他人に譲らないでくれ」とか、「俺の愛車はできれば長男に大事に乗ってほしい」とか。
そのような想いがあれば心に秘めておかずに、遺言書という形にして残しておきましょう。
それだけで、あなたの想いは家族に伝わり、遺志を継いで財産を有効に活用してくれることでしょう。
あなたの旅立ちがいらぬ波紋を広げないように、ご自分で作り上げた家族と財産は最後まであなた自身で守りましょう。
② 相続人がいないと国に納めることに!?
亡くなった時に誰が相続人となるのかは、民法によって定められています。
では、相続人に該当する方がいない場合、その方の財産はどうなってしまうのでしょうか。
実は、相続人がいない方が亡くなった場合、財産は国庫に入ることになっています(※特別縁故者の申し立てがある場合を除く)。
せっかく苦労して作ってきた財産が国に持っていかれるのも何だか悔しくないですか。もちろんきちんと国民の福祉に使われるのであればやぶさかではない、という方もいらっしゃるかもしれませんが、なんだか残念な気がします。そこで活用できるのが遺言書です。
遺言書では、相続人ではない人に財産を譲るという意思表示をすることもできます(遺贈といいます)。
内縁の妻や近しい親戚の方、友人、仲良しのご近所さんなどに、生前のお礼として残すこともできるのです。
また、遺言書に書くことで団体などに寄付をすることもできます。
自分が興味のある活動をしている法人や地域の幼稚園、お世話になった施設、ボランティア団体などに寄付して有効に使ってもらうこともできます。
遺言書を残すことで、あなたの財産を最後まであなたの意思で使うことができるのです。
ですから、相続人がいない方には特に遺言書を書いておくことをおすすめしています。
あなたの財産の有意義な残し方、使い方を一緒に考えてみませんか。
※特別縁故者…亡くなった方と生計を同じくしていた方や、療養看護に努めた方などその方と特別な縁故があった方のことです。もしそういう方が財産の分与を請求し、裁判所が相当と認めた場合には相続財産を取得することができます。