公正証書遺言の作成件数はどのくらいか?

 

私は、このホームページでも、「遺言、遺言!」と

うるさいほど騒いでおりますが

はたして世間的にはどのくらい認知されてるものなんでしょうか?

 

つまり、日本人はいったいどのくらい遺言書を書いているのか?

不安になったので調べてみました(笑)

 

公正証書遺言は日本でどのくらい作成されているのか?

 

自筆証書遺言の数は調べようがないですが、

公正証書遺言に関しては日本公証人連合会が発表していました。

 

日本公証人連合会のホームページによると、

平成26年1月から12月までの1年間に、

全国で作成された遺言公正証書は、

 

10万4,490件。

 

平成17年が6万9,831件ということなので、

この10年で約1.5倍に増えてますね。

高齢化、相続税制の改正に伴ってこの数字はさらに増えることが予想されます。

 

しかし、人口からみるとまだまだ少ないのではないでしょうか?

 

日本の人口に対する遺言作成者の割合は?

 

そこで、遺言能力が認められる満15歳以上の人口も調べてみました。

 

総務省統計局の発表(平成26年10月1日現在)によると

いわゆる生産年齢人口(15~64歳)は7785万人。

65歳以上の人口が3300万人です。

 

このうちの10万件ですからねぇ・・・。

実際には一人が何度も書き直すこともありますから

人数で言うともっと少なくなるのでしょう。

 

仮に10万人がすべて65歳以上だとしても、

65歳以上の人口のわずか0.3%!?

計算合ってますかねぇ?(笑)

 

これより以前に既に作られていた方を合わせても

とうてい1割にも満たないでしょう。

これは少ない・・・。

 

逆にいうと

「ほとんどの方のご家族が、潜在的に相続トラブルを抱えている」

と言えなくもないわけですね・・・。

 

生命保険の加入率と比較してみた

 

だからといって、

自分の死後のことを考えてない、不安がないと

思っているのかといえばそうではないようです。

 

それは生命保険の加入率を見れば明らかです。

生命保険文化センターの「生活保障に関する調査(18~69歳の男女対象)」で

平成25年の生命保険の加入率は80%を超えています。

これはこれで驚きの数字ですね・・・。

 

死後における遺族の生活に対する不安の大きさ。

加えて、保険会社と生保レディさんのたゆまぬ営業努力。

この2つによって出来上がった数字と言わざるを得ません。

 

遺言と生保は車の両輪?

 

よく、生命保険と遺言は車の両輪に例えられます。

遺族の生活を守るために必要な2つ、ということなんですが。

現状、ほとんどが片輪走行中でした。

 

遺言は費用の面でも生保に比べ

圧倒的に少なくて済むのにもかかわらず・・・。

 

生命保険だけではカバーできない問題がありますし、逆もそうです。

生命保険で家族の金銭の不安を取り除くのと同じように、

遺言で家族の家や生活、心身、家族関係の不安も取り除いて頂きたい。

 

ぜひ、生命保険の加入時、見直し時期には

もう少し想像力の羽を伸ばし、遺言作成に想いを至らせてほしいと思います。

 

同時に、予防法務をになうと謳う行政書士としては

もう少し遺言に関する啓蒙活動を活発にしてもよさそうな気がします。